亀岡へ行く

母方の従兄弟に会うために、亀岡へ行く。

6年前に亡くなった叔父が経営していた
ゴルフ練習場が、ある事情で数年ほど閉鎖
していたのだが、その息子である従兄弟が
営業を再開させるために、業者に頼まずに
独りで整備を始めたと聞いたからだ。

京都縦貫を走ること小一時間、千代川口へ。
田舎道を走っていくと、ゴルフ練習場が
見えてきた。20年以上前に一度来たきり
で、かなり久しぶりだ。実は従兄弟とも
叔父のお葬式で20年ぶりに会ったのだ。
昔はよく一緒に遊んだのだが、成長するに
つれ、それぞれの生活や仕事が忙しくなり
会わなくなっていった。

クラブハウスに人影はなく鍵が掛かっていた。
車が停まっていたので居るのはわかるのだが
どこに居るかわからない。

クラブハウスの裏から練習場に入り、打席
からフェアウェイを見渡す。腰ほどの高さ
の草が生い茂っていて、ヤード表示の板も
ちらほら見えたり見えなくなっていたり。
いろいろな設備も、ペンキが剥げていたり
雑然と放置してあったり・・・という感じ。

フェアウェイの一番奥に、小さなユンボ
激しくぎこちない動きで作業しているのが
見えた。一目見て従兄弟が動かしているの
だろうとわかった。

僕の姿に気がついて手を振ってくれている。
近くに行くと、お互いちょっと気恥ずかし
そうに声をかけた。三回忌以来で数年ぶりだ。

従兄弟はイチローとブラッド・ピットを足して
2で割ったような、なかなか男前の男だ。
そしてかなり寡黙な感じの男っぽい男だ。

「大変そうやね。」

「・・・そうやなぁ。」

・・・う〜ん。いろいろ大変になりそうだ。
というのも、僕はここにある目的があって
やって来たので。・・・続きます。