A spirit of running the mud

経緯は大人の事情でお話出来ませんが
ひょんなことで陶芸をする機会がありました。

どう「ひょんな」感じかというと
ある日仕事を終えて帰宅。
相方と共に遅めの食事を済ませて
リビングでくつろいでいると
テーブルの上を片づけ始める相方。

そしていきなり「陶芸したい?」と。
何を言い出すのかと思い事情を聞く。
大人の事情でここには書けませんが
とりあえず納得して初めての陶芸を
それも自宅ですることになりました。

小さい回転台と粘土べら一式といろいろ。
そして大きめの握り拳大の粘土(陶土?)。

この時点で23時をちょい過ぎたところ。
全く思いがけずに初陶芸でノープラン。
最初はこねくりまわしていろいろ遊んで
いたのだけど正直何を作ったもんだろう、と。

最初は相方も空気を抜けとか厚さを均一に
とかアドバイスしてくれてたんだけど
0時をまわって眠さから面倒くさくなり
「明日の朝、窯の業者に渡すから
 焼いてほしいならそれまでに」
と言い残し就寝。ただいま1時過ぎ。

無難に皿とか茶碗とか湯飲みという手もある。
初めてなんだし。が、しかし。なんか嫌だ。

このへんは一応ものを作るひととして
変なこだわりがあって抵抗感が否めない。

前にも日記に書いたことがあるのだけど
ぼくはよく言う「味がある」感じが
好きではない。初心者がヘタウマみたいな
タッチでつくるのは逃げっぽい感じがするのだ。
例えて言うならツルタロー的絵手紙のような。

僕が陶芸で好きなタッチは白磁で幾何形態で
無機質な感じ。それってトイレや洗面所っぽい。
そう、でもああいう感じが格好良いなぁと思う。

でも今回は磁器用陶土ではないらしいし
そこまでかっちり作る技術も時間もない。

う〜ん。今アトリエの図面を描いてるとこだし
なんとなく建物をつくってみようかと。
実用性のないものは工芸とは呼べないんだろうが
もう2時まわったし、それでいこう。

完成。5時過ぎです。2時間もしたら出勤です。
偉そうにいろいろ言うてみたものの…
とってもグダグダの不思議な「家」のような何かが
出来上がって粘土まみれで仮眠。

そして焼き上がって手元に届きました。
高さ10センチ弱の陶器製の家。
ファンシーショップと民芸品のあいのこの店に
売ってそうな…何でしょう?これ。
質感が着色された砂糖を掛けたハードビスケット
動物ヨーチ」みたいです。

とりあえず机に飾っています。